プロ野球とJリーグは10日から、上限5千人の観客を入れて公式戦を開催する。県内チームのチケットの売れ行きは順調で、既に完売した試合もある。首都圏を中心に新型コロナウイルスの感染者が増加傾向にあるなか、プロスポーツ興行はグラウンドと観客席が一体となって感染予防に努める新たなフェーズに入る。
県内では11日のJ1川崎─柏(等々力)が解禁後初の有観客試合となる。シーズンチケット保有者やファンクラブ会員を中心とした先行販売で既に5千枚が売り切れたという。ゴール裏の立ち見席も地面に席番号を貼り、指定席として対応。担当者は「(試合前の)待機列をなくすため、全席指定席扱いにした。時差来場をお願いしたい」と話す。
12日に行われる横浜M、横浜FCのホームゲームもほぼ完売。一方、まだ残席のある湘南の担当者は「2席以上間を空けた席割りなので、家族連れで来場しても離ればなれになる。(テレビなどで)自宅観戦するのが安心と考えている人たちも多い」とみる。横浜DeNAは17日の巨人戦から、横浜スタジアムの内野席のみを開放して有観客試合を行う。チケットの売れ行きは好調といい、11日からは一般販売も行う予定だ。
各チームの感染予防策もさまざまだ。川崎は入場時の検温に正確を期すため、ホームページ上で「入場直前の飲酒や激しい運動で体温が上昇する可能性がある」などと注意喚起している。
湘南は競技場外の飲食、物品販売を再開予定。移動販売車の間隔を空けて対応する。一方、横浜FCは7月中のフード販売を行わない。場内で購入できるグッズも事前にインターネット上で注文してもらい、当日は商品の受け渡しのみを行うという。担当者は「感染リスクを抑えるため、売店でのお金のやりとりをなくした」と話す。
横浜DeNAは売り子が巡回するアルコール販売を自粛し、スタジアム内コンコースでの販売のみとする。当面はファンサービスも自粛する。
プロ野球とJリーグは、政府の緩和指針に沿って8月1日から上限を収容人員の50%に引き上げることを目指している。県内チームの関係者は「(コロナ禍で)スタジアムに足を運ぶのを不安に感じている人たちも多い。今月の試合を通して、安心して観戦できることをアピールしたい」と話している。