三陸のカキやブランド米、地酒も─。サッカーJ1川崎フロンターレが公式サイトを通じて、トップチームのキャンプ地や復興支援を続ける被災地などの特産品のPRを始めた。新型コロナウイルスの感染拡大で売り上げの減少に苦しむ地方の生産者と、外出を制限されている首都圏の消費者を結び、販売促進につなげる試みだ。
Jリーグ各クラブはホームタウンなどの地域貢献に力を入れており、フロンターレの取り組みは本拠地以外の4道県にまたがるのが大きな特長。営業担当者は「プロクラブの知名度や発信力を生かして、日頃お世話になっている地域の経済活性化に協力したい」としている。
クラブが支援するのは、キャンプを行う宮崎県綾町と北海道七飯町、東日本大震災を契機に交流を続ける岩手県陸前高田市、主将のDF谷口彰悟(28)ら3選手の出身地・熊本市に隣接する人口約6万人の合志市。
観光客の減少や百貨店の臨時休業による物産展中止の影響が地域経済に影を落とす。4月下旬に等々力陸上競技場で開催予定だった陸前高田市のイベントも延期が決定。クラブゆかりの地方都市の苦境を救おうと、サポーターのアイデアを企画化したという。
公式サイトでは三陸ブランドの生がきや七飯町特産のキノコ類、綾町のガラス工芸品、合志市のスイカなど各地の物産約15品目を選手や生産者のPR写真とともに紹介。注文方法や問い合わせ先も案内している。
今後は売り上げ減に悩むスポンサーの応援企画も実施予定。担当者は「サポーターと一緒になって、困っている人たちの役に立てれば」と話している。