日本高野連が今春の選抜大会から、公式戦で1週間500球以内とする投球数制限を導入するなど、アマチュア球界は変革の時を迎えている。2009年に日本のプロ野球を経由せずに大リーグへ挑戦し、今シーズンもアメリカでプレーする田沢純一(33)は競技人口の減少が続く日本の現状をどう見ているのか。自身の体験を交え、思いを語ってもらった。
─日本は球数制限の議論が巻き起こっている。
田沢 これは難しい問題。批判もないし、決めることもない。ただ、一生懸命考えたことに対して、週末に250球ずつ投げるとか、揚げ足をとるような発言は違うと思う。批判だけするのはずるい。僕は10年にトミー・ジョン手術を受けている立場だし、肩は消耗品という認識は正しい。だけど、投げないと技術は落ちてしまう。1日に200球投げるのは正しいとは思わないですけど。
─アメリカでは年齢に応じて1日の球数を決める「ピッチスマート」の導入が進んでいる。
田沢 じゃあアメリカはトミー・ジョン手術をやってないか。そうではない。アメリカに倣うんじゃなくて、日本ではどうなのか。中学生の逸材だって投げなければ、高校から推薦が来なくなる可能性もある。たくさんの選択肢があることが必要だと思う。いろんな意見を出して、落としどころを見つけたら良い。
─アメリカと日本のいいとこ取りが大事。
田沢 僕がアメリカに行った理由で誤解されている部分があるんですけど、メジャーリーグが1番、日本が2番という考えではない。潜在能力を存分に引き出す育成プログラムに引かれた部分があったし、ただアメリカで挑戦したかった。日本でプロの経験はありませんが、社会人で学んだことを含め、日米どちらにも良いところと、悪いところがある。もっと情報交換して、互いの良さを技術の向上につなげてほしい。
─議論となっている高校生年代の育成方法は変えていくべきか。