社会人野球の第89回都市対抗大会西関東予選の代表決定リーグ戦最終日は27日、横浜スタジアムで行われ、三菱日立パワーシステムズ(三菱日立)が13-4でJX-ENEOSを下し、三菱日立は第2代表として3年連続10度目の本大会(7月13日から12日間・東京ドーム)出場を決めた。
三菱日立は一回に7番河野の3点本塁打など6長短打を集めて一挙6点を先制。七回には5番竹内が駄目押しの2点本塁打を放った。
最高殊勲選手には第1代表となった東芝の松本幸一郎が選ばれた。
そのほかの表彰選手は次の通り。
▽優秀選手賞 河野凌太(三菱日立)▽敢闘賞 山崎錬(JX-ENEOS)▽最優秀投手賞 岡野祐一郎(東芝)▽首位打者賞 八戸勝登(三菱日立)=14打数10安打、7割1分4厘
強力打線 初回で全開
20安打13得点の強打が、3年連続の本大会出場をたぐり寄せた。「打撃陣の集中力のたまもの」。三菱日立パワーシステムズの後藤隆之監督(47)が絶賛する打線は、初回からフルスロットルだった。
2番鶴田翔の右翼フェンス直撃の二塁打を皮切りに死球を挟む4連打で3得点すると、なおも1死一、二塁。7番河野は「勝っても負けてもきょうで決まる。思い切って行くだけ」と直球を振り抜き、右翼席に豪快なアーチを描いた。
昨年1月に三菱重工長崎と統合して2年目のシーズン。長崎時代は中軸を任されていた左のスラッガーは「統合でいい選手ばかり集まった。出させてもらえるだけでありがたい」とチーム打撃に徹して結果を残した。四回には右翼線への2点二塁打を放って5打点。指揮官も「点差を詰められた後の中押し点が大きかった」とたたえた。
7月の本大会へ「昨年はチャンスで打てなかった悔しさが残っている。ことしは必ず打つ」と河野。「飛躍」をテーマに掲げるチームが目指すのは昨夏4強を超える日本一しかない。
指揮官「頭が混乱」
JX-ENEOSが3年連続で本大会出場を逃した。大敗を喫した就任2年目の山岡監督は「ここまで打たれるのは想定外。投手陣は自信を持っていたのに、まさかこうもやられるとは」とうなだれた。
11度の都市対抗大会優勝を誇る名門が苦しんでいる。34歳の指揮官は「今は頭が混乱している。何かがうまくいっていないのは確かだが、どこから手を付けていけばよいのか、現状では答えが出せない」とショックを受けていた。