攻守に課題はたくさんある。それでも、首脳陣や投手陣からの信頼は日に日に増している。捕手として、チーム最多の46試合に先発出場する24歳の嶺井博希。「今はポジションを与えられているだけ。自分でつかみ取らないといけない」。定位置取りへ無我夢中だ。
持ち味を発揮したのは2日の中日戦。約2カ月ぶりの勝利を目指す三浦を巧みに導いた。序盤は直球主体に組み立て、中盤からカットボールを駆使して6回1失点にまとめ、「三浦さんと話し合って、直球が少なかった前回の反省を踏まえて勝負できた」。ベテラン右腕も「投手の良さを引き出そうとしてくれる。春先からはだいぶ変わってきた」と若い女房役の成長に目を細める。
打率は2割台前半に低迷する。ただ、中畑監督は「打つべきポイントは持っている。試合を重ねるごとに技術が追い付いてきた」と言う。
2月の沖縄キャンプ。グラウンドを後にするのは決まって最後だった。夜間の打撃練習を含めて練習量はチーム随一。「やらないといけないことが多いんで」。沖縄尚学高、亜大で日本一を経験し、謙虚に汗を流す姿勢が土台にある。
4日の巨人戦では何でもないフライを落球するなど、まだまだ脇は甘い。「へたくそ、あれこそど素人」。反省を繰り返しながら、勝てるキャッチャーを志している。