勝手ながら俳優の佐藤浩市さんに親近感を抱く。DVD化もされたNHKドラマ「クライマーズ・ハイ」での地方新聞記者の役は素晴らしい。だが親近感のポイントは、ホエールズ時代から横浜DeNAベイスターズのファンであることだ▼ファンと知ったのは明石家さんまさんと、「ベイ初V」を支えた主力選手・駒田徳広さんの対談番組からである。佐藤さんと連続ドラマで共演したさんまさんによれば、ベイが負けた翌日の不機嫌ぶりはすさまじいという▼ドラマは1995年に日本テレビで放映された「恋も2度目なら」である。収録が行われた1994年、セリーグは終盤に突入後も全球団に優勝の可能性がある大混戦だった。しかしベイは最終戦に敗れ最下位に沈む▼佐藤さんの一喜一憂ぶりが想像できる。さんまさんの厳しい上司という役だったが、不機嫌ぶりは演技に反映したようだ。平均視聴率が20%近いヒット作となった▼28日はプロ野球の開幕だ。選抜の横浜高校の初戦敗退は残念だが、ここはベイの主力を占める同高OBたちに奮起してもらいたい。20年前のドラマをもじり「Vも2度目なら」というフィナーレを迎えたい。佐藤さんに「Vは大洋時代から数えれば3度目だ」と叱られるかもしれないが。
【神奈川新聞】