工夫重ねバトンパス
走るのが得意な子も苦手な子も一緒に「ゴー」
梅雨の合間。太陽の下、運動場に元気な子どもたちの声。
「みんな、頑張るぞ」「オー」
小学3年生の体育の時間。リレーの練習が始まった。オリンピック・パラリンピックについて学んできた、5~6人の六つのチームが、最高記録を出そうと、バトンパスの練習を工夫している。
「走りながらバトンをもらうよ」「こうやって、構えておくんだよね」「そう、そう」「『ゴー』って言われたら、すぐね。『ゴー』で走るんだからね」
うなずく次の走者。「来たよ。構えて…、ゴー」
いいタイミングでのバトンパスが成功。その瞬間に先生も、「ナイス!」と、大きな声を掛ける。子どもたちも先生も明るい笑顔だ。
このリレーには、トラック1周をチームのみんなでバトンをつなぐ『チーム1周リレー』に加え、トラックの内側に作られた二つの小さなコースを二つのチームが同時にスタートし、1人1周ずつ走ってバトンをつなぐ『2トラックリレー』がある。
それぞれタイムを計測し、タイムの順位に応じたポイントが獲得できる。
どちらのリレーも、誰かが誰かを追い抜く場面はない。走るのが得意な子も苦手な子も一緒に、誰もがチームの記録を伸ばすことに夢中になっている。
繰り返し流す音楽により、スタートの合図、走っている時間、次のレースの招集が区別され、どのチームも自主的に動くことができている。
次の招集まではチームごとに作戦タイムだ。「ここでバトンパスしようよ」
ホワイトボードに示したコース上に、自分たちを表すチームカラーのマグネットを配置し、作戦を立てるチーム。「このバトンパス、よかったね」
タブレットの動画で、動きを確かめるチーム。
仲間とともに、工夫を重ね、楽しみながら学習が進む。
さまざまな教室から、県教育委員会の指導主事や先生らで構成する「学び見守り隊」がリポート
神奈川県教育委員会では、他にも各校の取り組みを「元気な学校づくり通信『はにい』」で紹介。
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f420082/