足湯体験で心通わせ
友達と並んで 「気持ちいい~!」
2月の空の下、秦野市立末広小学校内にある県立秦野養護学校知的障害教育部門小中学部(末広校舎)の児童生徒が、クラスごとに校外へと出掛けていく。児童生徒は、生活単元の時間に地域の人たちとの触れ合いを通して、地域を知り、自分の生活を豊かにすることを目指した学習に取り組んでいる。
目的地は、秦野市の日帰り温泉施設「名水はだの富士見の湯」。敷地内で無料開放されている足湯を体験しに行く。「富士見の湯」までの道のりですれ違う地域の人たちと、「こんにちは」とあいさつを交わす。
「風が冷たいね、どこへ行くの」「足湯に行きます」「早く温かいお湯につかれるといいね」
何げない会話から、地域の人たちとの触れ合いが生まれる。下り坂、上り坂を進んでいくと自然に囲まれた温泉施設の建物が見えてくる。「あと少し!」。児童生徒たちは励まし合い、足の運びにも力が入る。
「富士見の湯」に到着すると児童生徒たちは、靴と靴下を脱いで、ズボンをめくり、足湯につかる準備を始める。
「さあ、入ろう」。みんなで足湯に漬かる。「あ~、温かい」「気持ちいい~!」と、自然に声がこぼれる。
寒さで冷えた体が足からじんわりと温まっていく。友達と並んで入る温かい足湯に、児童生徒の表情にも笑みが浮かぶ。
遠くには富士山が望め、足湯の温かさと絶景にゆったりとした気持ちになる。
「足湯気持ちいいね!」「みんなで来たの?」。足湯に入りに来た地域の人たちや観光客からも声を掛けられる。
「気持ちいいです」「もう春ですね」など、児童生徒からも会話を楽しんでいる様子がうかがえる。
周りの桜の木々につぼみが目立ち始め春の訪れを感じながら、地域の素晴らしい資源を実感できる足湯体験。地域の人たちとの触れ合いで心通わせ、また一つ、児童生徒たちの豊かな経験が増えていく。
さまざまな教室から、県教育委員会の指導主事や先生らで構成する「学び見守り隊」がリポート
神奈川県教育委員会では、他にも各校の取り組みを「元気な学校づくり通信『はにい』」で紹介。
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f420082/