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教室に行こう
小田原市立鴨宮中学校(小田原市鴨宮)

教育 | 神奈川新聞 | 2020年10月26日(月) 15:00

地域に支えられ成長
種から育てた野菜の収穫へ夢が膨らむ

収穫への夢が膨らむ

 2020年7月、フリーダム(特別支援学級)の子どもたちは今日もいつもの農園へ元気に出発した。この農園は、PTA総会において、ある教員の申し出に近隣の農家が快諾してくれたことに始まる。農園での学習は、今年で5年目だ。

 「この前取ったばかりなのにもう草いっぱいだ」。慣れた手つきで、子どもたちは黙々と草むしりを始めた。

 草が刈られていくと次々と小さな野菜が顔を出した。「全部種から植えたんだよ」「これはかぼちゃで、あっちはスイカ」「トウモロコシも、種から植えてるの」。どの野菜も苗ではなく全て種から育てている。口々に語る子どもたちの顔は誇らしげだ。収穫への夢は種の成長とともに大きく膨らむ。

 育った野菜は、後日さまざまな料理にして味わう。毎年どの子もこれまでの野菜との思い出をかみしめながら、おいしそうにほおばっている。自分たちだけでなく、交流している学級の友達や先生にも振る舞う。

 また、秋の学習発表会を見に来る保護者や地域の人たちへのお土産にもしている。形よく色つやも良い野菜の出来をほめながら喜んでくれる。種から育てる苦労が一気に喜びに変わる瞬間だ。

慣れた手つきで草刈りに励む

 フリーダムの子どもたちの活動が注目され、18年には、ある劇団がミュージカル「しあわせのタネ」として上演し、劇中で取り上げたこともあった。

 この活動を通して、子どもたちは自分たちの力で乗り越えた時の達成感や喜び、そして自己有用感を育んでいく。自立への過程で大きな価値となっていくであろう、と田中校長は言う。

 小学校まで登校することに前向きになれなかった生徒も、農園での活動をきっかけに、今では生き生きと学校生活を送っている。

 「お、今日も元気にやってるな」。地域の人が声を掛けてきた。

さまざまな教室から、県教育委員会の指導主事や先生らで構成する「学び見守り隊」がリポート 神奈川県教育委員会では、他にも各校の取り組みを「元気な学校づくり通信『はにい』」で紹介。 http://www.pref.kanagawa.jp/docs/v3p/seitosidou/hanii.html

 
 

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