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【K-person】飛田和緒さん
身近な野菜をおいしく 献立に新しい風も

K-Person | 神奈川新聞 | 2020年5月10日(日) 11:00

飛田和緒さん


飛田和緒さん
飛田和緒さん

 5年にわたる雑誌での連載をまとめた新刊「いちばんおいしい野菜の食べ方」には、旬の野菜をおいしく食べるレシピが詰まっている。15年前、娘の出産を機に、環境を変えようと東京から葉山町へ引っ越した。今は横須賀市秋谷で海辺の暮らしを満喫している。

 「この辺りの農家さんは熱心で、いろんな野菜を作っている。新鮮な野菜が直売所で買えるので、季節感を大いに楽しんでいます」とほほ笑む。

 「収穫したての野菜は、切ったときの香りや火の通り具合が違う。旬の出始めと終わりでは皮の固さや大きさも違うので、調理の仕方も変わってくる。そんなことも読者の皆さんにお伝えしたい」

 材料はキャベツやタマネギ、ブロッコリーなど身近な野菜がほとんど。

 「皆さんがよく知っている、味が分かる野菜を、と心掛けています。でも、たまには珍しい野菜を使うと、献立に新しい風が吹きますよ」と、トマトを丸ごと入れた「トマトと梅の炊き込みご飯」といった少し変わったレシピも掲載した。


「いちばんおいしい野菜の食べ方」
「いちばんおいしい野菜の食べ方」

 「トマトは、熱を加えるとうま味が出るし、梅干しの塩気がいい感じに。献立が全部変わったレシピだと自分が疲れてしまうので、一品だけでいいんです」

 これまでに100冊以上の料理本を出してきたが、大事にしているのはごく普通の家庭料理だ。

 「東京で生まれ、高校3年間は長野で過ごし、東京からここへ。いろんな食材に出合い、家族構成も変化して、その時々で作っているものを本にしてきた。夫から『あれ食べたいよね』と何十年も前のレシピを言われても、もう私のレシピじゃないというくらい変わっています」 もともと、料理を仕事にするつもりはなかったという。ある作家の執筆の手伝いをしていた際、打ち上げなどで編集者らに供していた料理が話題になり、「好きなことを仕事に」と勧められた。

 10年ほどほそぼそと続け、2冊同時に出した料理本が注目されて今に至る。

 「今でも『私でいいのかな』という感覚があるのは、自分で発信したというより人に恵まれたと思っているから」と、編集者やカメラマン、スタイリストら支えてくれる“チーム”に感謝している。

ひだ・かずを
 料理家。1964年生まれ、東京都出身。横須賀市在住。家庭料理を中心に誰もが作りやすい料理を紹介し、雑誌やテレビなどで活躍中。2011年「常備菜」(主婦と生活社)で第1回料理レシピ本大賞受賞。「きょうの料理 飛田和緒の朝にらくする春夏秋冬のお弁当」(NHK出版)、「すっぱい料理」(産業編集センター)、「雪平鍋で2品献立」(東京書籍)、「飛田和緒のうちごはん」(KADOKAWA)など著書多数。

 最新刊は「いちばんおいしい野菜の食べ方」(オレンジページ、1320円)。

記者の一言
 ウイルス対策に気を付けながら取材に伺ったのは、海を望むすてきなお住まい。キッチンはさすがにすっきり整頓されている。お茶請けにいただいた梅干しはまろやかな酸っぱさ。毎年、地元の友人から無農薬の梅をもらい、梅干しを漬けているそうだ。みそも手作りで、こうした「季節仕事」を広めたいと、ここ8年ほどは友人や知人に声を掛けて集まり、一緒に作ってきた。だがそれも、今年は新型コロナウイルスの影響でままならないという。「みそはうちの地下室で保存している。夏には天地返しをし、春に完成するとそれぞれが分けて持ち帰る。そんな一年を通しての作業ができなさそう」と困り顔だ。未曽有の状況だが、季節はいつもと同じに進んでいる。何の憂いもなく自然の恵みに向き合える日々が実は貴重だったのだと改めて感じた。

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