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【1964東京五輪】〜アーカイブズで振り返る神奈川〜
村長日記(14) さすが紳士の国

連載 | 神奈川新聞 | 2020年10月1日(木) 09:00

 1964年の東京五輪。神奈川には相模湖のカヌー選手村と大磯のヨット選手村が設けられた。神奈川新聞では両村長が日々の出来事をつづった「村長日記」が連載された。五輪イヤーの今年、当時の日付に合わせてこの連載を再び掲載します。海外旅行が一般的でなかった時代、世界各国の五輪選手を迎える緊張や戸惑い、喜びなど臨場感あふれる描写から、1964年と違うもの、変わらないものが見えてきます。

 現代の観点では不適切な表現もありますが、1964年当時の表現、表記をそのまま掲載しています。(※)で適宜編注を入れました。

大磯選手村として利用された大磯ロングビーチ「オリンピックホテル」の食堂。同ホテル完成式での一こま。中央奥に「ビッグ・カラー」と呼ばれたハワイの海岸風景の写真パネルが見える。柱の前に立つのは、4月に急逝した父・康次郎氏から西武グループの総帥を引き継ぐことになる堤義明氏。内山岩太郎神奈川県知事から、選手村建設など「県勢の発展に協力した」康次郎氏の遺徳に対する感謝状が義明氏に贈られた=1964年7月14日、大磯町国府本郷

誕生日を間違える

大磯選手村村長・馬飼野正治

 “カム・ヒヤ”日本では手を下にして招くが、外国では手を上にして招く。全く反対である。これと同じように日本では生年月日を書く場合、昭和〇年〇月〇日と書く。あちらさんでは〇日〇月〇年と逆に書く。これを日本流に記載したもので、えらい手違いを起こしてしまった。イギリスのデンハムさんの誕生日が20・9・29となっていたので、日本流だと昭和二十年九月二十九日生まれというわけだ。

 例によってバースデーケーキをいともおごそかに贈ろうとしたら「私は前週誕生祝いを国でやってきた。またやってくれるとはありがたいことだ」ということであった。なるほど彼は一九二九年九月二十日生まれである…。チョコレートでネームははいっているし、せっかくつくったのだから受けてくれといって贈ったが、笑うに笑えぬ一場面であった。

 
 

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