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障害者雇用に理解を 綾瀬市の企業が呼びかけ

社会 | 神奈川新聞 | 2016年8月4日(木) 16:48

今春に採用された養護学校出身の社員は部品製造の重要な工程を任されている=綾瀬市の栄和産業
今春に採用された養護学校出身の社員は部品製造の重要な工程を任されている=綾瀬市の栄和産業

 綾瀬市吉岡東4丁目の輸送機器部品製造会社「栄和産業」が、市内に先駆けて障害者の積極的な雇用に乗り出した。同社は2年前から知的障害者の職業体験を受け入れ、今春に初めて新卒者を採用。障害者雇用の法定義務を満たさない企業に協力も呼び掛けている。

 本社の工場で、黙々とショベルカーの部品を磨く男性(18)がいた。今春に県立藤沢養護学校を卒業したばかり。先輩工員とチームを組み、重要な工程を任されている。知的障害がある新卒者として、同社が初めて採用した。

 同社は2014年、知的障害者の職業体験を始めた。2週間程度の実習を受け、気負わずに入社を決めてもらう配慮からだ。これまでに藤沢、座間、伊勢原の各養護学校とえびな支援学校から、延べ10人の生徒を受け入れた。新採用された彼も職業体験を受けた一人。「丁寧に業務を教えてもらい、安心して入社できた」と話す。市によると、同社の取り組みは先駆的だ。

 障害者雇用促進法は、従業員50人以上の企業を対象に、障害者を2%以上雇用するよう定めている。ただ県産業労働局によると、対象の県内4233社の15年の平均雇用率は1・82%。2371社が2%に満たなかった。

 121人の従業員を抱える同社も2人以上の障害者を雇い入れなければならないが、昨年度まで達成できずに納付金を徴収されていた。

 「それでは本来の障害者支援にならないと思った」と伊藤正貴社長(46)。「障害者だからといって過剰な心配は必要ないと気付いた。ほとんどの作業を健常者と区別なく任せられる」

 県立伊勢原養護学校も、同社の職業体験を生徒に勧めている。神部美穂教諭は「なかなか受け入れ先がなく、同じように理解のある企業が増えてくれればうれしい」と話す。伊藤社長は製造業が盛んな市内で間口を広げようと、関係企業に協力を呼び掛けている。

 県は8日、障害者雇用に理解を深める企業交流会を、相模原市南区のユニコムプラザさがみはらで開く。伊藤社長が雇用の実例を発表する。午後1時半~5時15分。定員は先着で30人。問い合わせは、県雇用対策課電話045(210)5871。

 
 

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