感覚を働かせて遊びながら能動的な表現活動を生み出す、横浜国立大学(横浜市保土ケ谷区)開発のプログラム「アートツール・キャラバン」が10日、同市都筑区の市立すみれが丘小学校で行われた。同校が40周年記念行事の一環として招き、3・4年生が大学生とともにプログラムを楽しんだ。
同プログラムは同大教育人間科学部を中心とするゼミが2010年から展開している。何度でも作り替えたりさまざまな方法を試したりできる仕組みで、能動的な造形行為を促すさまざまなアートツールを大学生が開発。子どもたちはこれらで遊びながら感覚を磨き、創造力を身に付けることができるという。11年にはキッズデザイン賞を受賞するなど評価は高く、県内の小学校や商業施設などで展開している。
すみれが丘小では、体育館に15種類のアートツールを配置。鏡にサインペンで自由に絵を描くコーナーや、等身大の着せ替えパネル、さまざまな物をつるしてバランスを取る大型モビールなどに、子どもたちは夢中になっていた。ゼミの大学生と大学院生計13人は給食も児童と一緒に食べ、交流を深めた。
参加した3年の女児(9)は「鏡に絵を描くなんて考えたこともなかったけど、やってみたらとても面白かった」と笑顔。ゼミを担当する大泉義一准教授(47)は「遊びの中で感覚を開放する体験が、子どもたちの自己肯定感を高める。日常的にこのような体験を取り入れてほしい」と話している。