昨年11月に「狩りガール」デビューを果たした平山庸子さん(36)=横浜市旭区=はもどかしさを感じている。
「最初は知らない男の人ばかりで、銃を持って一緒に山へ入るのは不安があった。女性が周りにいた方が安心する」
県猟友会の南足柄支部に所属する。狩猟免許を取った直後は旭署の紹介で地元の旭支部に入ったが、実害がある地域を猟場とする支部に加入すれば、有害鳥獣駆除や管理捕獲に携わる機会が増えるからだ。
男社会の猟友会にあって、顔見知りがいないという心理的壁。「縁のない団体に飛び込んでいくのは勇気がいるし、苦労もする。猟友会のメンバーと知り合う場があればいいのに」と平山さんは思案する。
ハンターの資格を得るにあたり、県の育成事業「かながわハンター塾」に参加したのも「猟友会員と知り合いになりたい」という思いがあったからだった。塾ではベテランハンターから銃の撃ち方や農作物被害の実情を学んだが、人脈をつくる機会はなかった。
県によると2014年度に3回実施した塾の受講者は57人。うち22人が狩猟免許を取得した。ただ、猟友会とのマッチングはしていないといい、その後、どれだけ入会したか把握していないという。
県自然環境保全課野生生物グループの木部力淑グループリーダーは「受講者と猟友会メンバーが会場で知り合うことを期待している」というものの、「特定団体のメンバーを増やすようなことをするのは行政として公平性を欠き、積極的には紹介できない」と県としての立場を説明する。
あくまで受講者や猟友会員の自主性に委ねられているのが現状だ。