羽田空港と多摩川対岸の川崎臨海部を結ぶ連絡道路の整備について、国際競争力強化策を検討する政府の「羽田空港周辺・京浜臨海部連携強化推進委員会」は18日、空港跡地地区と川崎市殿町エリアの中央部に片側1車線の橋を架けることを決めた。2020年の東京五輪開催を視野に、成長戦略拠点の形成を支えるインフラとして実現を目指す。
同委員会は国土交通省や県、川崎市、東京都、同大田区など両地区に関係する省庁・自治体で構成され、今回が2回目。羽田連絡道路の整備場所などについて、「中央部に両地区を結ぶ新たな橋梁(2車線)」と初めて明記した。
空港側と川崎臨海部を結ぶ道路は、首都高速の横羽線と湾岸線があるものの、一般道は都道・県道6号(産業道路)より上流に限られているのが現状。両岸のアクセス改善に向け、上流・中央・下流の3ルートが検討されていたが、各地区の土地利用計画などを踏まえ中央部に決めた。着工時期は未定だが、2020年の東京五輪もにらみ調査や整備を急ぐ方針だ。
橋の建設にかかる測量や構造の設計、環境影響についての調査は「整備に向けた検討の深度化を図る」として、今後詳細を検討していく。橋梁部分は川崎市と東京都が施工主体や費用負担、管理方法を決定。このうち県は、川崎市の取り組みに対し、財政面も含めて必要な支援を行う。橋の取り付け部分については、国交省も協力する。
前回委員会で羽田連絡道路の新設と並行して整備するとしていた国道357号(東京湾岸道路)に関しては、事業着手に向けた調査設計が終了次第、2015年度内に事業着手すると決めた。
このほか、両地区の連携強化を図ることで、医工連携の推進、国際的なビジネス拠点の形成、ライフサイエンス分野を中心にイノベーション創出や新産業創造を目指すとした。