安田さん帰国 再燃する「自己責任論」
時代の正体〈645〉民主主義の礎が問う社会 記者の視点=報道部・田崎基
社会 | 神奈川新聞 | 2018年10月26日(金) 20:56
【時代の正体取材班=田崎 基】あのときもそうであった。いや、あのとき以上に殺伐とした空気がこの社会を席巻していると感じる。ジャーナリストの安田純平さん解放の報で沸くネット上の雑言だ。
2015年、寒風吹く1月の深夜、東急東横線中目黒駅近くで安田純平さんと待ち合わせた。手ごろな場所がなく、駅近くのカラオケ店に入り話を聞いた。過激派組織「イスラム国」とみられるグループに日本人2人が人質になり、オレンジ色の服をまとい後ろ手に縛られた映像が流れた直後だった。
うち一人は、安田さんとも知人のジャーナリスト、後藤健二さんだった。