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県内の消防団員数、4年連続増加 横浜市の確保策が奏功

社会 | 神奈川新聞 | 2018年10月8日(月) 02:00

 県内33市町村の消防団員総数(1万8545人、4月1日時点)が4年連続で伸び、過去1年間の増加人数が全国最多だったことが、総務省消防庁のまとめで分かった。人口減や高齢化を背景に全国的に消防団員の減少に歯止めがかからない中、地元事業所などに協力を求める横浜市の確保策が奏功し、県内の総数を押し上げている。 

 県内の団員総数は昨年4月1日時点と比べ、102人増加。1万7994人と1万8千人を切った2014年以降、4年連続で増え、最近10年間では09年(1万8686人)に次ぐ総数となった。この1年で7市町の団員数が増加する一方、18市町村では減り、8市町は増減がなかった。

 このうち横浜市は141人の増と突出しており、県内他市町村の減少を埋め合わせる以上の伸びを記録。消防庁の担当者は「横浜市が特段目新しい策を講じているわけではないが、他市町村と比べ、成果が際立っている」と今後の展開や波及効果に期待する。市消防局によると、幅広い業種の事業所や女性に入団を呼び掛ける地道な取り組みが各区で定着し、定年(70歳)などによる退団者を上回る新規団員の確保につながっているという。

 一方、神奈川以外でこの1年間に団員数が伸びた都道府県は、山梨、大阪、石川、福井の4府県のみ。増加数はそれぞれ29~16人にとどまっており、4府県を合計しても神奈川1県の102人に及ばなかった。

 そのほかの42都道府県は軒並み減少したため、全国の団員総数は1年前と比べ6670人減の84万3661人となった。全国では1954年には200万人を超えていたが、その後の長期的な減少傾向に改善の兆しは見えていない。原因として、高齢化や地域活動への関心の低下、自営業者の減少といった自治会などと同様の課題が指摘されている。

 消防団は火災時だけでなく、東日本大震災や熊本地震、近年相次ぐ大規模水害の際も行方不明者の捜索などで活躍。しかし、熊本県ではこの1年の減少数が全国最多の492人となっており、相次ぐ団員の転居が被災地で求められる消防団活動の壁となっている。また、東日本大震災で避難誘導中に津波にのまれるなどして犠牲になった団員は250人以上に上っており、活動時の安全確保や退避行動の徹底も引き続き大きな課題だ。

 ◆消防団 消防組織法に基づき、自治体の消防署員とともに消火や災害対応、防火・救急指導などに取り組む。団員は非常勤特別職の地方公務員で、数万円ほどの年額報酬と数千円程度の出動手当などが支払われる。各消防団の定数は、人口や地域特性などに応じて条例で定められている。18歳以上で入団できる消防団が多く、在勤・在学者の入団を認めているケースもある。団員確保の重点対象である女性や学生が全国的に増えており、国は定年制の撤廃も求めている。

 
 

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