新型コロナウイルス禍でアルバイト収入が激減した学生らに無償で食品を提供する取り組みが21日、厚木市旭町のフードバンクあつぎ事務所で始まった。午前10時に受け渡しを始めると学生らが次々に来訪。米やレトルトカレーなどが入った約5キロの手提げ袋を受け取り、「うれしい」と笑顔を見せた。
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取り組みは同事務所を運営するNPO法人Heart34(ハートみいよ)と市が企画した。同法人の磯野啓治理事によると、事前に食品提供を市民らに呼び掛けたところ、計4・7トンの米やインスタントラーメン、缶詰などが寄せられた。地元はもちろん、横浜や川崎市のほか、遠くは長崎県からの提供もあったという。
訪れた学生らは学生証を見せて名前、電話番号を記入してから、食品の袋を受け取った。山形県出身で厚木市内で1人暮らしをする大学3年生の女性(20)は「飲食業と塾講師で月7万円あったアルバイト収入が4月からゼロになった。学費は奨学金で払っているが、生活費は親の支援だけでは苦しく、食品提供は正直うれしい」と話した。別の大学2年生の男性(19)も「アルバイトがなくなって、かつかつの状態。早く感染が収束して元に戻ってほしい」と訴えた。
食品提供は22、23日も午前10時~午後3時に実施。対象は市内の大学、短大、専門学校に通う学生。