新型コロナウイルスの感染拡大で臨時休校が続く小中学生の学習機会を確保するため、松田町は18日にも町立学校で初のオンライン学習をスタートさせる。全ての児童・生徒がタブレット端末やパソコンを使い、オンラインで与えられる課題などに取り組む。町教育委員会は「全校規模でやるのは、県内では聞いたことがない」と話している。
早い時期からICT(情報通信技術)を活用した教育を目指していた町は、2014年度から順次、児童・生徒へのタブレット貸与を進め、17年度には小学5年~中学3年の全ての児童・生徒に行き渡らせた。
これまで飛び箱や縄跳びを撮影した動画でフォームをチェックしたり、松田小と寄小をつなぐ遠隔授業をしたりと、年間8千件の活用があったという。
本格的なオンライン学習を行う具体的なスケジュールはなかったが、今回の感染拡大の臨時休校が新学期にまで及んだことで一気に実現へ進んだ。
オンライン学習は町内の小中学校全3校(2小学校、1中学校)の小学1年~中学3年の約630人が対象。今回は第1段階として、授業支援ウェブシステム「シー・ラーニング」を使い、教員から送られる課題を児童・生徒が答えて返信したり、教員自作の授業動画を視聴したりする。中学校では1日3教科程度の時間割をつくり、それに合わせて各自が自宅で勉強する形式を採る。小学校では都合の良い時間に行う。
これまで貸与がなかった小学1~4年は家庭のパソコンなどを使うことにするが、端末やインターネット環境がない家庭は町が貸与するなどで対応する。費用約180万円は町が当面単独で負担する。