カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法の成立が確実視される中、「カジノ幻想」などの著書がある静岡大学人文社会科学部の鳥畑与一教授は、カジノは地域経済を破壊させると断じ、力を込める。「日本にカジノはいらない」
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推進派の方はよく、世界の百二十数カ国にカジノがあるじゃないか、と主張する。しかし欧州型と米国型のカジノは随分と違う。欧州型は規模が小さい。大人の社交場としての伝統からきており、公営のカジノも多い。ギャンブルをする権利は認めるが、規制を厳しくして小さく運営させるスタイルだ。
今、日本で問題になっているのは米国・ラスベガス型。カジノだけでなくホテルやレストラン、エンターテインメント施設がある。これがモデルとなり、シンガポールでは「統合型リゾート」として造った。私は「IR型カジノ」と呼んでいる。特徴は規模が大きく、いろいろな施設を集客装置として使い、客をカジノへ誘導する点だ。