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やまゆり園 事件考
被害者側失望「浅い裁判」 殺害背景も解明不十分

社会 | 神奈川新聞 | 2020年3月20日(金) 05:00

判決が言い渡された津久井やまゆり園事件の裁判員裁判=16日午後、横浜地裁(代表撮影)
判決が言い渡された津久井やまゆり園事件の裁判員裁判=16日午後、横浜地裁(代表撮影)

 津久井やまゆり園事件の裁判員裁判は、植松聖被告(30)に死刑判決が言い渡されて終結した。重度障害者の殺害は「世界平和のため」と主張した被告の独善に対し、横浜地裁は明確な否定まで踏み込まず、殺害に至る背景も十分に解明できなかった。被害者側に失望が広がった。

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 青沼潔裁判長は16日の判決公判で、言い渡しに要した約40分のうち大半を、被告の完全責任能力を認定した理由の説明に割いた。

 「重度障害者がいなくなれば世界が平和になる」という被告の考えに対しては、「到底是認できない」「被告人なりに社会に有意義な行為であると思う一方、社会に容易に受け入れられるものではない」との言及にとどまった。

 末娘の美帆さん=当時(19)=を殺害された母親は求刑通りの判決に「終わってほっとした」と安堵(あんど)する半面、「裁判はこんなものなのでしょうか。責任能力による量刑の論点だけでなく、もっとみっちりとやっていくものだと思っていた」と代理人の滝本太郎弁護士に打ち明けた。

 
 

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