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首都直下「シナリオ多様」 心構えと対策呼び掛け 小田原・温地研所長が講演

社会 | 神奈川新聞 | 2018年4月19日(木) 15:20

県内の地震リスクなどについて解説する温地研の加藤所長=小田原市入生田
県内の地震リスクなどについて解説する温地研の加藤所長=小田原市入生田

 県西部の地震活動や箱根山(箱根町)の監視などを担う県温泉地学研究所(小田原市)の所長に就いた加藤照之氏(65)が18日、首都圏の地震の特徴に関して講演した。過去の発生状況を振り返り、「活断層とは関係のない所でも起きている」と指摘。警戒される首都直下地震について「いろいろな場所で起きる可能性がある」と注意を促した。

 県内には、1923年の関東大震災に代表されるマグニチュード(M)8級の巨大地震を繰り返し発生させてきたプレート(岩板)境界部が延びるほか、県西部や三浦半島に活断層が集中。足元が震源となるM7級のリスクもある。

 加藤所長はこうした地域的な特徴に触れつつ、「顕著な活断層ばかりにとらわれない方が良い」と地震活動の多様性を強調。「『首都直下地震』も総称であり、特定の地震を指すものではない。シナリオは幾つも考えられる」と解説した。

 静岡以西の南海トラフで予想される巨大地震の被害想定にも言及。「神奈川の震度は5強か5弱。津波は10~2メートルで死者は2900人と見込まれている」と説明し、「3メートルの津波は大したことはないと思われがちだが、1メートルでも危険」と避難の大切さを訴えた。

 また、東日本大震災の印象から津波に対する警戒心が高まっている現状に関し「関東大震災は火災、阪神大震災は建物の倒壊による犠牲者が目立った。こうした被害も頭に置いて」とした上で、「普段からの心構えと自発的な対策を」と呼び掛けた。

 東大地震研究所の教授だった加藤氏は、温地研の所長に今月着任。東海地震の予知を担う判定会の委員や日本地震学会の会長も務めた。

 
 

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