1. ホーム
  2. ニュース
  3. 社会
  4. 被告はいま(5) 排除の風潮、被告と同化

やまゆり園 事件考
被告はいま(5) 排除の風潮、被告と同化

社会 | 神奈川新聞 | 2020年1月5日(日) 05:00

 「多くの方々が大変な不安を感じている。再発防止、安全確保に全力を尽くす」。安倍晋三首相が措置入院の運用見直しを厚生労働相に指示したのは、やまゆり園事件2日後だった。「不安の種である精神障害者は隔離しろ、という差別的な世論が喚起された。精神医療がスケープゴートにされた」と精神障害当事者会ポルケ代表の山田悠平さん(35)は振り返る。

 厚労省は、植松被告に対する入院先や相模原市の医療支援を「不十分」とした有識者の検証結果を受け、措置入院を規定する精神保健福祉法の改正に乗り出した。

 支援の強化をうたう改正法案は閣議決定されたが、当事者や医師が「治療のための制度が治安維持に利用される」(障害者インターナショナル日本会議)と反発。17年に審議中のまま衆院が解散され、結果的に廃案になった。山田さんは「いつまた蒸し返すか分からない」と心配する。

法整備の歴史

 重大事件のたび、精神障害との関連が指摘され、法整備が図られてきた。駐日米大使が統合失調症とされた少年に襲撃されたライシャワー事件(1964年)後、医師1人のみの診断で強制力を伴う緊急措置入院が制度化された。

 措置入院歴があった男=2004年に死刑執行=が児童ら23人を殺傷した大阪教育大付属池田小事件(01年)後、心神喪失者医療観察法が05年に施行された。重大事件を起こした精神障害者の処遇を裁判官と医師が合議で決め、入通院を強制できるようになった。

 69人が死傷した京都アニメーション事件(19年7月)後も「精神障害者に対する風当たりは強まった」と全国「精神病」者集団共同代表の桐原尚之さん(34)はみなす。容疑者が事件7年前に精神障害を指摘されていたからだ。

 今月8日に横浜地裁で始まるやまゆり園事件の公判は、責任能力の有無や程度が争われる見通しだ。

この記事は有料会員限定です。

月額980円で有料記事読み放題/100円で24時間読み放題のコースも。詳しくはこちら

相模原障害者施設殺傷に関するその他のニュース

社会に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング