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川崎・宮前トンネル女性刺殺
被告に無期懲役求刑 地裁論告「理不尽極まりない」

社会 | 神奈川新聞 | 2019年12月3日(火) 05:00

横浜地裁
横浜地裁

 川崎市宮前区のトンネルで2006年9月、帰宅途中の女性が殺害された事件で、殺人の罪に問われた無職の男(39)の裁判員裁判の論告求刑公判が2日、横浜地裁(景山太郎裁判長)であった。検察側は「理不尽極まりない無差別通り魔殺人。ストレスを発散するため、女性の死ぬ間際の苦悶(くもん)する表情を見たいとの犯行動機はあまりに身勝手」として、無期懲役を求刑した。判決の言い渡しは13日。

 検察側は論告で、「強固な殺意に基づいており、快楽殺人者の可能性が高い」と主張。事件の3カ月前から包丁を持って好みの女性を物色しており、計画的犯行だったとも述べた。

 さらに、被告が事件の半年後に別の殺人未遂事件を起こした点も踏まえ、「後悔することなく快楽を求めて犯行に及んでおり、再犯の恐れは大きい」と指摘。被告の自白で逮捕に至った点も、自白まで9年以上を要したことから「真の反省に基づくものではなく、罪の重大さを理解していない」と批判した。

 弁護側は「好みの女性が困惑する表情を見てストレスを発散しようと、とっさに包丁を突き出した」と計画性を否定。被告の性嗜好(しこう)障害が動機形成に影響し、重度のパーソナリティー障害で犯行を思いとどまる能力も減退していたとしたほか、罪と向き合って自ら犯行を告白したとして、量刑上の考慮を求めた。

 被告は最終意見陳述で、「心から反省し、深く後悔している。どんな判決になっても被害者の命は戻ってこないということを一生考えて、生きていこうと思います」と話した。

 起訴状などによると、被告は06年9月23日未明、同区の貨物駅直下のトンネル内歩道で、近くに住む女性=当時(27)=の腹や右胸を刃物で刺して殺害した、とされる。事件は長らく未解決だったが、別の事件で服役中の被告が16年1月、関与をほのめかすはがきを県警に送付。県警は刑期満了が近づいた17年10月に殺人容疑で被告を逮捕した。

「一生許せない」
遺族、悲しみに声詰まらせ

 2日の公判では、事件で殺害された女性の両親と妹が意見陳述に臨んだ。「残忍な犯人を一生許すことはできない」と被告への怒りをあらわにし、最愛の家族への尽きることのない思いを涙ながらに語った。

 
 

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