テロ災害に備える訓練が17日、川崎市多摩区の市立枡形中学校で開かれた。消防や警察、区役所などの行政機関に加え、地域住民約150人も参加。来年の東京五輪・パラリンピック開催を前に、官民が一丸となって対応能力の向上に努めた。
訓練は、大規模災害が発生して住民が避難した中学校の体育館に、災害ボランティアを装った犯人が有毒な液体をまき散らしたとの想定でスタート。消防隊員や多摩署員の誘導で体育館内にいた参加者はグラウンドへ避難した。
また、消防隊員が防護服を身に着けて傷病者の救出や搬送に当たったほか、有毒な化学物質に汚染された避難者や隊員らの除染活動の手順を確認した。警察官による犯人確保までの訓練も行われ、住民らは熱心に見入っていた。
参加した男子高校生(16)は「急にテロが起きたら自分では対処できないと思う。非常に有意義な訓練だった」と話した。多摩消防署の秋元良己署長は「24年前には地下鉄で実際にテロが起きた。どこで起きるか分からないので気を付けてほしい」と呼び掛けた。