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横浜市、IR誘致正式表明 市長「成長のため必要」

社会 | 神奈川新聞 | 2019年8月23日(金) 05:00

IR誘致を正式表明する林市長 =22日午後2時35分ごろ、横浜市役所
IR誘致を正式表明する林市長 =22日午後2時35分ごろ、横浜市役所

 横浜市の林文子市長は22日、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)を誘致する、と正式に表明した。47ヘクタールの敷地面積を持つ山下ふ頭(同市中区)に整備し、2020年代後半の開業を想定している。誘致表明は全国4カ所目。市長は決断した理由について、人口減で財政事情が厳しさを増す中で「将来にわたり成長、発展を続けていくためには、IRを実現する必要があるとの結論に達した」と説明。決断した時期を「7月末」とした。

開業 20年代後半を想定

 一方、誘致を巡っては市民の間や市会内に治安悪化やギャンブル依存症を懸念する声が根強くある。この日も誘致に反対する市民らが反対署名を市長に手渡そうと詰め掛け、市長室前は一時、騒然となった。

 市長は同日の定例会見で、決断の背景に「横浜の将来への強い危機感」を挙げた。市によると、65年までに現在の3分の2まで減る人口、市内を訪れる観光客のうち日帰り客が9割を占めて消費額が低い現状、年明けとみられるカジノ管理委員会の設置や自治体の選定基準を定める「基本方針」の策定といった国のスケジュールも踏まえ、総合的に判断したという。

 治安悪化やギャンブル依存症については、IR整備法をはじめとする法整備や事業者自身による対策などを列挙、「依存症を増やさないように取り組む環境や治安悪化などへの対策を強化する環境が整ってきた」と述べた。

 市長は前向きな態度を示した時期もあったが、17年夏の市長選で「白紙」を掲げて3選を果たし、それ以降も「白紙」の姿勢を強調してきた。大きな政策転換について問われた市長は「(市民を)裏切ったつもりはない」と断言した。

 市は同日、IRの経済波及効果も公表した。

 市の18年度の公募に構想案を提出した12事業者・グループに対し、本年度に再度、経済効果などの精度を高めるために調査協力を依頼。事業者から出された数字を試算し直した。

 その結果、開業後の年間の経済効果は6300億~1兆円、雇用創出効果は7万7千~12万7千人、カジノ納付金などに伴う市への増収効果は820億~1200億円と見込む。またIRへの訪問者は年間2千万~4千万人とし、このうち国内観光客の割合は66~79%とみている。

 市は2億6千万円の19年度一般会計補正予算案を、9月に始まる市会第3回定例会に提出する。20、21年度の債務負担行為も1億4千万円に設定。市会で可決されれば、IR区域整備計画の申請に向け、専門的な調査分析、市内の依存症患者の実態把握、山下ふ頭のインフラ調査などに入る。

 また市民に理解を求めるため、市は今後、全18区で市民説明会を開催する方針。

方針転換の理由 見えず

 
 

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