横須賀では、原子力空母の配備に向けた準備も着々と進んだ。
横須賀基地で空母が接岸する12号バースは延長工事を終えて米軍側に引き渡されていたが、喫水の大きい原子力空母が入るには周辺の水深が1.5メートル足りない。このため、横浜防衛施設局は2006年8月、空母が停泊する12号バースのしゅんせつ工事に向けた協議書を、港湾管理者でもある横須賀市に提出した。
原子力空母配備に反対する市民グループは配備の是非を問う住民投票を実現するため、署名を集めて条例制定を横須賀市に直接請求した。だが条例案は、2007年2月8日に市議会臨時会が開かれ、大差の賛成少数で否決された。
住民投票を否定する意見書を提出していた市長の蒲谷は「議会もおおむね私の容認を認めてくれているのではないか」と話した。
「通常艦配備」が消滅
この時期、米軍は通常型空母「ジョン・F・ケネディ」が3月に退役することを正式に発表している。通常型空母が横須賀に配備される可能性が、完全に消えた。
住民投票制定の条例案を採決する本会議開会の直前に、在日米海軍がこの情…