戦後に連合国軍総司令部(GHQ)が接収した秘密資金(通称・M資金)をかたった詐欺事件で、県警捜査2課と戸部署などは1日、詐欺容疑で、いずれも無職の東京都港区の男(66)、同中央区の男(79)、同あきる野市の男(59)の3容疑者を再逮捕した。県警は3人の認否を明らかにしていない。
再逮捕容疑は、共謀して2018年5~6月、M資金2800億円を提供するための交渉に必要などとうそを言い、県内の70代の男性会社役員から約1億9千万円をだまし取った、としている。「M資金を動かせる人物と直接交渉できる」などと男性に持ち掛けたという。
県警は、男性から同様の手口で1億3千万円をだまし取ったとして、6月に3人を逮捕。男性の被害は17年9月~18年12月までに計約31億5千万円に上るとみて調べている。
県警によると、港区の容疑者は13~14年に別名をかたって男性と接触、この際にもM資金2800億円を提供できるなどと持ち掛け、今回の事件とは別に数億円を詐取した疑いがあるという。17年に金融ブローカーを通じて男性と接触した中央区とあきる野市の容疑者は、この資金提供話を「復活させる」との趣旨の話を男性に持ち掛け、一連の詐欺事件に発展した疑いがあり、県警は3人の関係性や詐取した金の流れなど、全容解明を進める。