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減災
氾濫備え「私の避難計画」 相模原の小学校、台風教訓に

社会 | 神奈川新聞 | 2020年10月18日(日) 05:00

マイ・タイムラインのシートを見ながら、自分に何ができるか話し合う児童=相模原市中央区の市立田名小学校

 相模原市が今月から、小学校の授業で児童が大雨時の避難計画を考える取り組みを始めた。自宅周辺の危険性を理解した上で、全国で普及が進む一人一人の行動計画「マイ・タイムライン」を作成する。河川の洪水や崖崩れなどが相次ぎ、6千人余りが避難所に身を寄せた昨年10月の台風19号の教訓を生かす試みで、市は学区に浸水の恐れがある小学校の防災教育として展開していく考えだ。

 「自宅が浸水の恐れがある地域になっている人はいますか?」

 講師を務めた市中央区地域振興課の鈴木竜さんが質問すると、30人の児童のうち6人が手を挙げた。手元に配られた市の洪水ハザードマップでは、相模川沿いの学区の一部が深さ3メートル以上の浸水想定区域に色分けされていた。

 「備え方は人それぞれ違うけれど、手を挙げた人は早めの避難が必要だね」という鈴木さんのアドバイスに、児童はうなずいた。

 15日、市立田名小学校(中央区)4年生の社会の授業。身近な地域のリスクを確認した上で、避難計画作りに取り組んだ。高台に位置する同校は風水害時避難場所に指定されており、クラスの中には昨年の台風19号時に家族で避難した児童もいる。

 用意されたマイ・タイムラインの用紙には、台風接近の3~5日前の段階(警戒レベル1)から、災害が発生する時点(警戒レベル5)までの間に自分や家族がどう行動するかを記入する欄が設けられている。

 祖父母と暮らす児童は避難準備・高齢者等避難開始が発表された警戒レベル3で「避難を開始する」というシールを貼り付け、別の児童は警戒レベル4の避難勧告で避難を始めることにした。その一方、自宅近くに浸水区域がない児童は「安全であれば家にとどまる」というシールを選んだ。

 マイ・タイムラインは立地や家庭などの状況に応じて選択や判断が異なるのが特徴。児童は「親戚に電話連絡する」「避難する時に持って行くものを確認する」といった準備段階の行動も書き込んだ。鈴木さんは「マイ・タイムラインは一度作って終わりではない。家族で話し合い、何度も見直して」と呼び掛けた。

 記録的な豪雨となった台風19号では、相模川上流の城山ダム(緑区)の緊急放流で、田名小周辺にも警戒レベル4の避難指示(緊急)が出された。浸水被害はなかったが、田名地区では約千人が避難し、このうち約400人が同小に身を寄せた。その一人だった松村雫さん(10)は「台風の時は翌朝まで体育館で過ごした。授業で作ったマイ・タイムラインを見ながら家族で話し合いたい」とかみしめていた。

逃げ遅れなくせ 鬼怒川決壊を機に普及

 マイ・タイムラインは「一人一人の防災行動計画」と呼ばれ、鬼怒川が決壊した2015年9月の関東・東北豪雨を受けて取り組みがスタートした。決壊地点のある茨城県常総市で約4300人が逃げ遅れ、消防や自衛隊などに救助されたことがきっかけだ。

 常総市では当時、市域の3分の1に当たる約40平方キロが浸水。

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