日本学術会議が推薦した新会員の候補者6人の任命を菅義偉首相が拒否した問題で、県内の研究者有志らが17日までに、任命拒否の撤回と、6人全員の任命を求める共同声明を発表した。市民らの賛同を募り、22日までの分を1次集計として首相に届けたいという。
「学問の自由の侵害」との危機感を抱いた神奈川憲法アカデミア事務局長の山根徹也横浜市立大教授や永山茂樹東海大教授らが県内大学の研究者らに呼び掛け、青井美帆学習院大教授や、小林節慶応大名誉教授など有志24人(17日現在)が呼び掛け人となった。
声明では、任命拒否された6人は「各分野で重要な業績をあげ、学際的にも指導的な学者・研究者」とした上で、いずれも政府・与党が重視する法案に反対意見を表明してきたと紹介。「そうしたことが理由の拒否であれば、政治の学問・研究への直接的な介入。社会全体での自由な言論を萎縮させることにもつながる」と指摘した。
また、過去に国会で学術会議の自主性、独立性を保障するために「推薦者をそのまま任命する」と答弁があったことに触れ、その枠を超えた人事介入は「学問・研究の根幹を大きく侵害する」と批判。任命拒否の撤回と、6人の任命を求めた。
山根教授は「首相の地元を中心とした声として届けたい」と話し、市民らの賛同を募っている。23日以降も受け付ける。
問い合わせは、メール(yamane@yokohama-cu.ac.jp)で。