3月に運用が始まった羽田空港の新飛行ルートは、旅客機が東京都心の上空を通過し危険性が高いとして、都と川崎市の住民計29人が国に運用の取り消しを求めた訴訟の第1回口頭弁論が28日、東京地裁(清水知恵子裁判長)で開かれ、国は争う姿勢を示した。
原告側は、旅客機が都心の住宅密集地のほか、川崎市のコンビナート付近も低空で通過し、安全性に問題があると指摘。国の騒音、落下物対策も実効性に乏しいとして「住民の生命や財産を侵害する危険がある」と主張している。
コンビナート勤務歴がある原告の男性は、この日の意見陳述で「コンビナートは上空からの落下物を想定しておらず、事故が起きれば首都圏の経済活動への影響は重大。(運用を)ただちにやめるべきだ」と話した。
新ルートは発着機の混雑解消のため3月29日から運用を開始。東京五輪・パラリンピックに伴う外国人客需要も見込む。