清泉女学院高校(鎌倉市城廻)の音楽部がオーストリアで開かれた国際合唱コンクールに出場し、総合優勝を果たした。英語やラテン語の難解な曲を見事に歌い上げた部員たちに、観客はスタンディングオベーションで称賛した。
高校1~3年の部員48人が出場したのは、4月30日~5月4日に開かれた「国際合唱フェスティバル バートイシュル2016」。音楽部は2010年にイタリア、13年にオーストリアで開かれた国際大会で、それぞれ総合2位とグランプリを獲得。その実績が認められ、今回大会側から招かれた。
大会には年齢の規定はなく、14カ国23団体が参加。同部は3部門に出場し、ユースと宗教曲の2部門で優勝。各部門で優勝した7団体で競うグランプリ選に進んだ。
「歌い終わった瞬間、会場全体が立ち上がって拍手をくれた」と顧問の教諭。鮮烈でクリアな響きが評価され、総合優勝とともに、教諭も最優秀指揮者賞を受賞した。
「世界の人に理解し、評価してもらえた」「最初は実感がわかなかったけれど、応援し引率してくれた親に喜んでもらえた」と、生徒たちは感激する。
日本語はもちろん英語やラテン語の15曲を用意し、発音練習にも力を入れた。教会が会場となっていたため、「響きが立ち上るよう日本のホールとは違う発声方法に苦労した」と部長の生徒(17)は振り返る。
この大会を最後に3年生は引退する。部長は「先輩たちが国際大会で結果を残すのを見て、『私たちも』と努力してきた。その夢がかない、世界の人たちとつながれたことがうれしい」と達成感をにじませた。