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豪華極めた女王の魅力 ロイヤルウイング前身の写真寄贈

話題 | 神奈川新聞 | 2020年6月15日(月) 10:03

瀬戸内海の女王とも呼ばれた「くれない丸」。露﨑さんが1979年に撮影した(横浜みなと博物館提供)
瀬戸内海の女王とも呼ばれた「くれない丸」。露﨑さんが1979年に撮影した(横浜みなと博物館提供)

 横浜港を巡るレストラン船「ロイヤルウイング」(2876トン)が定期航路で活躍していた当時のカラー写真が、横浜みなと博物館(横浜市西区)に寄贈された。「くれない丸」の名で大海原に就航した1960年から、今年でちょうど60年。華やかな船体で「瀬戸内海の女王」とたたえられた当時の資料は貴重とされ、“還暦”を迎えた今も現役で運航している同船の魅力が浮かび上がる。

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 「スピード、内装などすべての点で、それまでの優秀船を数段ひきはなした豪華観光客船」

 写真を寄贈した客船・フェリー愛好家の露﨑英彦さん(89)=大阪府=は、96年に自費出版した「船のアルバム:106隻の客船・フェリー」(A4判、402ページ)で、くれない丸を高く評価する。自身で撮影した船の写真を集めたホルダーは100冊を超えており、同船の写真もその中から見つかった。

 くれない丸は60年から70年代にかけて大阪・神戸と別府(大分県)を結ぶ別府航路で就航。「動く観光ホテル」として設計され、新婚旅行客らの人気を集めた。船内には客室をはじめダイニングルーム、バー、娯楽室などを備えており、露﨑さんは装飾階段の踊り場に掲げられたレリーフ「古代女人像」(彫刻家・松田尚之氏作)も記録していた。


くれない丸に掲げられたレリーフ「古代女人像」(露﨑さん撮影、横浜みなと博物館提供)
くれない丸に掲げられたレリーフ「古代女人像」(露﨑さん撮影、横浜みなと博物館提供)

 定期航路を引退後は、長崎での係船を経て豪華な内装や当時の塗装を改修し、89年に横浜で息を吹き返した。横浜港・大さん橋(横浜市中区)を発着するレストラン船ロイヤルウイングとして運航。2001年に大改装が行われた。

 横浜みなと博物館の三木綾学芸員は「日本で最も長く現役で活躍している内航クルーズ船で、『瀬戸内海の女王』と呼ばれた華やかさは、露﨑さんの写真と今に残る洗練された船体デザインから感じられる」と話している。

 ロイヤルウイングは13日から、新型コロナウイルスの感染予防策を強化して運航を再開した。当面は1日3便とし、ディナークルーズは午後6時45分出航の1便のみ。料理コースや料金などの問い合わせ・予約は、予約センター電話045(662)6125。

 
 

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