施設改修とコロナ禍が重なり長期休館していた横浜市歴史博物館(同市都筑区)が再開し、延期されていた企画展「明治・大正ハマの街─新市庁舎建設地・洲干島(しゅうかんじま)遺跡─」を開催している。約10カ月ぶりの開館と企画展の実現で、地域の歴史に触れる機会を待ち望んでいた多くの郷土史ファンが訪れている。
新市庁舎が立つ同市中区の北仲通南地区はかつて洲干島と呼ばれ、着工前の発掘調査で土管や赤レンガ、洋食器など現代の生活につながる品々が発見された。企画展では出土した遺物を中心に洲干島の様子が分かる浮世絵や古地図などを展示し、明治・大正期の市中心部の姿を紹介している。
同館は昨年8月から今年3月まで、外壁や天井などの改修で休館していたが、コロナの影響で2カ月間延長。6月2日の再開後は来館者の体温測定をはじめ、マスク着用や間隔を空けた観覧を促している。同市緑区から訪れた会社員の岩澤康成さん(51)は「再開が待ち遠しかった」と話し、展示物を熱心に眺めていた。
企画展は9月22日まで(午前10時~午後4時)。休館日は月曜(8月10日、9月21日除く)と8月11日。入場料は一般500円(常設展とのセット券600円)。問い合わせは、同館電話045(912)7777。