臨時休校中の横浜市立横浜総合高校(同市南区)に、疫病を鎮めるといわれる「アマビエ」を描いた100枚以上の絵が登場した。手掛けたのは同校の教職員たちで、オリジナル性にあふれた愛くるしい姿がずらり。コロナ禍の収束と、生徒たちが元気に笑顔で通学する日を心待ちにしている。
「コロナ禍は人と人を分断する恐ろしい厄災。教職員と生徒みんなでアマビエを描き、飾ることで連帯感を生みだせるのでは」。同校の康允範教諭によると、教職員らはA4判の裏紙を使い、パソコンの絵画ソフトや水彩画など、それぞれが思い思いの技法を使って描いた。
絵が飾られているのは北校舎と南校舎をつなぐ渡り廊下で、同校は「アマビエ通り」と命名。学校に戻ってきた生徒たちにも描いてもらうことで、さらに増やしていくつもりだ。康教諭は「この渡り廊下を人と人、学校と家庭、社会を『つなぐ』場所にしたい」と意気込んでいる。
アマビエは、江戸時代に肥後国(今の熊本県)で現れたとされる半人半魚。くちばしと長い髪の姿で描かれることが多く、疫病をはらってくれるとの言い伝えがある。