7~9月の週末を中心に野外音楽イベントが開かれる東京湾の猿島(横須賀市)で2日、観客の転倒事故などを想定した訓練が行われた。同島は車両で乗り入れできない離島のため、救急隊の到着まで30~40分を要する。そうした地理的条件を踏まえ、イベントスタッフが実践可能な応急処置などを学んだ。
訓練は、イベント会場で来島者が集団で転倒、やぐらが倒れて5人が骨折やけがを負ったとの想定で実施。島内の公園管理を委託されている船舶運航業「トライアングル」(同市小川町)と市消防局の職員ら計約25人が参加した。
救急隊員の指導を受けながら、同社のスタッフが患部の冷却や添え木による固定などけが人への応急処置を実践。意識不明者に対する胸骨圧迫や自動体外式除細動器(AED)の使用法も学んだ。
実際のイベントは夜間に行われる予定で、混乱を避けるためのアナウンスについても手順を確認。消防は、現場に設けた指揮本部に照明器具を設置し、けが人を乗船場まで搬送する訓練に取り組んだ。
市中央消防署の国枝秀雄第1副署長は「適切な1次的処置をスタッフに行ってもらうためにも、連携を強化していきたい」と話した。