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知事の外遊加速 先端医療産業創出に迫られる成果 14日から欧州へ

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2014年10月12日(日) 03:00

黒岩祐治知事は14日から18日まで、欧州を訪問する。最先端医療・健康産業の創出・集積などを目指す知事の看板施策「ヘルスケア・ニューフロンティア」に関係する外遊が増える中、今回もヘルスケア・情報通信技術に優れたフィンランドの関係機関などと協議する。外遊先で交わす覚書(MOU)は積み上がるが、企業の商談やプロジェクト開始に結び付いた例はまだなく、そろそろ目に見える成果が求められそうだ。

■アフリカ視野

「これまで重要地域のアジアと米国で協力関係を築いてきた。今回は欧州でも関係を築き、ヘルスケア・ニューフロンティアの国際展開を加速したい」。知事は出発を控えた9日の会見で力を込めた。

フィンランドでは横浜国立大学と交流があるオウル大学が所在するオウル市と連携・協力のために覚書を締結するほか、フランスのパリではアフリカ支援の政府機関と協議。ライフサイエンス関連企業の海外展開を後押しする「ライフイノベーション国際協働センター(GCC)」がその機関と覚書を交わす予定だ。

知事は「最先端の安い医療機器はアフリカでニーズがある」とし、アフリカ市場への売り込みを視野に入れた構想を明かした。

■「黒岩カラー」

歴代知事の外遊は友好都市の周年記念行事やそれに合わせた企業誘致セミナーなどを目的にしたものが多かった。黒岩知事はそれらに加え、医療・ヘルスケア施策絡みが際立つ。

昨年11月のシンガポールでは、政府機関とGCCによる医療機器開発などの協力に関する覚書の締結に立ち会い、今年5月の米国では二つの州と覚書を交わし、医薬品や医療機器の審査を行う米国食品医薬品局(FDA)や大学などを訪れ、県の施策に関する講演も行った。同行したGCCは米国大学、研究機関などと覚書を締結した。

7月のベトナムでは、県立がんセンターとダナンがん病院による「医療人材交流に関する覚書」の締結に立ち会っている。

■まだ“入り口”

知事は、これら海外機関と結んだ覚書締結などに関して「異次元外交というべき成果」と胸を張る。だが、覚書(MOU)自体は包括的な協力方針を示したもので“入り口”にすぎない。県議会も「覚書だけでは意味がなく、その先に個々の企業の商談や事業がどう動きだすかが大事」(中堅県議)との見方が強い。

ヘルスケア・ニューフロンティア推進局は「一定のレベルに達した段階で発表したいが、まとまった商談はいまのところない」としており、外遊成果を評価できる段階に至っていない。

知事は11月に予定するドイツ訪問でも、医療施策絡みの日程を加える方向で調整中という。

■黒岩知事の外国訪問一覧■

2011年度 訪問国

10月26日~30日 米国

11月20日~24日 マレーシア

2012年度

5月5日~11日 インド、ミャンマー、タイ

2013年度

5月5日~11日 米国

7月18日~20日 台湾

10月20日~23日 中国

11月17日~23日 シンガポール、ミャンマー、タイ

2014年度

5月3日~9日 米国

7月24日~27日 ベトナム

10月14日~18日 フランス、フィンランド

【神奈川新聞】

 
 

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