鎌倉市の計画する市役所本庁舎移転に対し、市民有志が28日、その是非を問う住民投票の実施を目指し、団体を立ち上げると発表した。市長に条例制定を直接請求するための署名活動に取り組む。有志は「(計画の)賛否にかかわらず、全市的に議論し、住民投票で民意を問うべき」と指摘している。
市役所で同日、準備会のメンバー6人が会見した。6人は自治会長らで構成。有権者の50分の1(約3000筆)以上を目標に、9月にも署名活動を始める。
市は、県の津波浸水想定の範囲内に立ち、老朽化も進む現庁舎について、建て替えでは十分なスペースを確保できないことなどから移転する方針を示した。消防本部や体育館、公園と一体的に整備できるなどの理由から、市有地の深沢地域整備事業用地(同市寺分)に移転したい考えだ。
一方、メンバーは会見で「約180億円もの工事費をどう捻出するのか」「市の中心部から離れた深沢は不便」など移転計画の問題点を列挙。住民投票を通じて「市民の多様な意見を行政に直接届けたい」などと説明した。
有志らは6月23日に正式発足させ、7月から市民向けの説明会などを開く予定。