清川村が移住・定住促進策として整備した子育て世代向けの村営賃貸住宅「プレミール中根」(同村煤ケ谷)が完成し、記念式典が26日開かれた。子育てがしやすいよう配慮された内装や自然豊かな周囲の環境が人気を呼び、14戸のうち9割超の13戸の入居者が決まった。村外からの移住者は12戸40人で、村の人口(約2970人)の1%超を占める結果となった。
「車があれば厚木市などすぐに行ける。子育て世代が集まると聞いたのでつながりも持ちやすいと思った。何より自然いっぱいの中でのびのび育てられる」
そう話すのは、千葉県館山市からプレミールに移住してきた3児の母親(35)。夫が神奈川県内に転勤することが決まり転居先を探していたところ、村役場に勤める知人から薦められたという。
プレミールはフランス語で「初めての」という意味で、村外の子育て世代をターゲットに17年3月に2棟4戸、18年2月に5棟10戸を完成させた。事業費は、約4億6080万円(うち村費3億3360万円)。
メゾネット型で2階建ての2LDK。室内は段差を解消し、化学物質の発散を抑える建材の採用など子ども基準の仕様に。1戸2台分の駐車場を確保し、敷地内には砂場も備えた共用のポケットパークもある。家賃は管理費込みで月額5万3500~6万8500円で、延べ床面積は80平方メートル程度。
募集には民間の大手賃貸情報サイトを活用。村外からの移転が12世帯40人(県外が2世帯8人)、村内からも1世帯2人が転居した。
26日の式典で、大矢明夫村長が「人口減少、高齢化の歯止めとなるように願いを込め、子育て世代に向けた環境づくりを進めてきた。村ににぎわいをもたらす新しい拠点として期待したい」と力を込めた。