中小野党が共同提出した内閣不信任決議案の衆院本会議採決で、棄権の方針で臨んだ自民党から菅義偉元総務相(2区)や小泉進次郎青年局長(11区)ら7人が賛成に回った。
9日午前の党役員会でも賛成の論陣を張った菅氏は本会議後、「棄権は国民にとって極めて分かりにくい。ある意味、信任と受け取られても仕方がない」と強調。「巨大な政府与党と対決するため付与されているのは、1国会に1不信任案。これが、ただ一つの武器だ。野党第1党として日ごろ、野田政権が続くと国益を損なうと言ってきた。賛成するのは当然だ」と力を込めた。
谷垣禎一総裁に消費増税関連法案の否決を申し入れ、今回の政局の流れをつくった小泉氏は「これ以上、日本を民主党に任せられないという声をつくるための行動で、地方にも先輩議員にも賛同者がいた。その声を受けたとき、不信任案賛成以外、考えられない」と訴えた。
消費増税法案の衆院本会議採決時の比ではないが、民主党ではこの日も、造反者が出た。
公明党の古屋範子氏(比例南関東)は「民主党はあれだけの離党者を出し、今回もという感じだ。あらためて、政権、政党の体をなしていないことをさらけ出した」と批判。
社民党の福島瑞穂党首(参院比例)は「密室談合で始まって密室談合で終わり、民主も自民も国民不在のどっこいどっこい。造反が出るのも、むべなるかな、という感じだ」と総括し、みんなの党の浅尾慶一郎政調会長(衆院比例南関東)は「民主も自民も、造反した人の行動の方が分かりやすい」と指摘した。
消費増税法案は10日に成立する見通しだが、民主、自民党内では今回の不信任政局を受け、代表、総裁降ろしの胎動が始まった。
増税法案の採決で造反したが、不信任案に反対票を投じた民主党の橘秀徳氏(13区)は「民主党の政策のすべてが駄目なわけではないので今回は反対した。ただし、決戦は代表選挙。そこで勝負に出たい」と語った。
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