箱根町長選は25日投開票され、新人で元副町長の勝俣浩行氏(66)が、新人で飲食店経営の田村洋一氏(55)を破り、初当選を果たした。午後10時50分ごろ、箱根町宮城野の勝俣浩行氏の事務所に「当選確実」の報が伝えられると、集まった支援者約100人から大歓声が沸き立った。
新人同士の一騎打ちをわずか195票差で制した勝俣氏は「箱根町民の政治に対する意識の高さを示すことができた戦いとなった」と述べ、支援者らと万歳を繰り返し、喜びを爆発させた。
勝俣氏は7月に副町長を辞職し、出馬を決意。長年の行政経験をもとに、財政難やコロナ禍からの早期脱却を実現すると訴えた。
「支援者らと手作りで臨んだ」という選挙戦。6年共に歩んだ現職の山口昇士町長やその後援会の女性メンバーらにも支えられた。
教育や福祉、医療の充実に加え、将来世代を守る持続可能なまちづくりを訴え、幅広い世代に支持を広げた。
勝俣氏は「まずはコロナ対策。町民第一で町民生活を支えていくことが私の第一の役割」と語った。
惜敗の田村氏「4年後を目指し頑張る」
「熱い思いが届かなかった。力不足で申し訳ない」
落選の一報を受け、田村洋一氏は事務所内外に集まった支持者ら約100人に頭を下げ、無念さをにじませた。
行政経験者が長く町長を務めてきた町政に、民間の立場から変化を起こそうと出馬。町内をくまなく歩き、観光振興や教育の充実を訴えてきた。
観光事業者や現職の山口昇士町長の後援会幹部らからも支援を受け、支持を伸ばした。だが、山口町長が相手候補を後継者として正式に指名すると流れが変わった。田村氏は報道陣に「56年間の副町長が町長になる流れが浸透していた」と敗因を指摘。「支援者と共に4年後を目指して頑張る」と力強く宣言すると、大きな拍手に包まれた。
【解説】現職の「後継指名」で支持拡大
初当選の勝俣氏「町民の意識示せた」 小差の勝利喜ぶ
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初当選の一報を受け、支援者と喜び合う勝俣氏=25日午後10時50分ごろ、箱根町宮城野の事務所 [写真番号:389428]
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事務所の外にも集まった支持者にあいさつする田村氏=25日午後10時55分ごろ、箱根町湯本 [写真番号:389429]