藤沢市が、市役所本庁舎・市民広場の有効活用に取り組んでいる。同庁舎には、屋外庭園や屋内展望デッキなどの開放エリアがあり、幅広い市民が来庁。藤沢駅に近く、多くの人々が行き交う好立地を生かして地元農産品のPRや販売など地域活性化につながる利活用を試みている。
同庁舎西側広場に停車した軽トラックで藤沢産農産物を直売する実証実験は9月23日からスタート。トマトや季節野菜を生産している井出農園(同市打戻)とひろみ園(同市下土棚)が交代で週2~3回、昼時に出店。産地直送の新鮮野菜が廉価で購入できるとあり、客足は途切れず、毎回完売状態になっている。
店頭に立つ井出農園園主の井出茂康さんは「直接販売することで消費者と顔の見える関係をつくり、野菜の特徴や食べ方などの情報を発信している。藤沢産野菜をPRする場として手応えを得ている」と話す。
実証実験は12月18日まで。市は他の出店希望者の参加も検討している。
一方、6、7月に実施した実証実験を経て本格実施されたのが、市内キッチンカー事業者への場所の提供。9月23日から、同庁舎西側、東側広場の2カ所に最大4事業者(全13事業者)のキッチンカーがお目見え。カレー、ラーメン、ロコモコ、豚丼などテークアウトのランチメニューを販売している。
実証実験は、キッチンカー事業者に販売機会を提供するとともに、テークアウト需要に応える狙いもあった。市経済部は「立地条件が良い市民広場を活用することで、店のPRにもなる。コロナ禍の下で出店機会の回復につながれば」としている。