「政府の立場や見解を正確に発信する貴重な機会なので、しっかり準備し、丁寧に誠実に臨んできた」
14日午前、首相官邸。官房長官として最後の定例会見に臨んだ菅義偉は、安倍政権のスポークスマンとして報道陣に向き合った7年8カ月を振り返った。
淡々とした口調で失言が少なく、政府与党から「鉄壁」と評された危機管理の要。この日は「全てを発言せず、ある程度余裕を持って説明したのが良かった」と笑みを見せ、場数を踏んで培った極意に自信をのぞかせた。
一方、首相(当時)を巡る疑惑への質問に「その指摘は当たらない」と決まり文句で突き放す冷徹ぶりには批判も強く、「会見はなかなか難しいとずっと思い続けている」とも述懐。3213回に達した記者会見への重圧をにじませた。