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「波止場食堂」など移転へ 山下ふ頭の再開発始動

経済 | 神奈川新聞 | 2016年6月25日(土) 11:34

山下ふ頭の再開発に伴い移転する港湾厚生センター=横浜市中区
山下ふ頭の再開発に伴い移転する港湾厚生センター=横浜市中区

 横浜臨海部の新たなにぎわい拠点となる横浜市中区の山下ふ頭(約47ヘクタール)の再開発が動き始めた。市は東京五輪が開かれる2020年の一部完成に向けて、対象エリア内にある「波止場食堂」などの厚生施設を移転、倉庫事業者とは16年度中の移転補償契約の締結を目指す。港湾関係者らの協力を得ることで、大規模集客施設や大型リゾート施設などの導入に弾みをつけたい考えだ。

 市が策定した山下ふ頭の開発基本計画では全体の完成を25年以降と見据えており、エンターテインメントや滞在型空間が融合した「ハーバーリゾートの形成」を新たな都市像と位置付けている。臨海部ではみなとみらい21(MM21)地区に次ぐ大規模プロジェクトになる。

 市は、山下公園に隣接し市街地に近い大さん橋側の一部エリア(約13ヘクタール)の再開発を20年に完成させるため、エリア内の倉庫事業者12社と荷役業者18社を対象に、倉庫や公共上屋(荷さばき場)など計12棟ある建物の移転補償交渉を始めた。

 そのうち、横浜港湾福利厚生協会が指定管理者として管理運営している市の施設「山下ふ頭港湾厚生センター」は分散移転する。港湾労働者に人気がある波止場食堂や事務所などは17年5月に同ふ頭内の別の場所に仮設移転。弁当の給食センターは同年8月、同市中区新山下1丁目に移転して事業を継続する。

 1963年に完成した山下ふ頭は公共上屋や倉庫が全体で49棟あり、高度成長期には貿易港としての横浜港の発展を支えてきた。現在も海上コンテナの開梱(かいこん)や梱包(こんぽう)などの作業のほか、貨物船の荷役作業も行われている。

 ただ、既存倉庫の多くは老朽化が進んでおり、横浜港の物流機能は横浜ベイブリッジの外側に当たる本牧や南本牧、大黒ふ頭に集約が進んでいる。市はこれらのふ頭や周辺地域への移転をきっかけに、横浜港全体の物流機能の向上につなげたい考えだ。

 同ふ頭に事務所を置く横浜港運協会(藤木幸夫会長)は今月の定時総会で、16年度の重点項目として「我々(われわれ)が開発事業に参加することにより、再開発を必ず成功させる」と決議。市は開発基本計画で「市民や港湾関係者の方々の協力をいただきながら取り組みを進めていく」としている。

 
 

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