横浜市は、横浜港で運航されている液化天然ガス(LNG)燃料タグボート「魁(さきがけ)」(272トン)への燃料供給を効率化した。LNGタンクローリーを近接させたことで準備時間の削減や安全性が向上し、供給機能が高まったとしている。
魁は日本郵船が建造した日本初のLNG燃料船。重油とLNG双方に対応しており、2015年8月から郵船子会社のウィングマリタイムサービス(同市西区)が運航している。
市はこのほど、作業の様子を報道関係者に公開。タグボートの基地として使われている新港ふ頭(同市中区)5号岸壁では、LNGタンクローリーが岸壁に乗り入れて船体のそばで燃料補給を行った。船から離れた車道に停車していた従来に比べてホースの長さは半分の約10メートルになった。
月2回、燃料供給を行っている東京ガスの担当者は「LNGはマイナス160度近くまで冷却しているので、ホースの長さが短くなれば効率化が進み、安全性が高まる。今後は作業員を減らしたい」。市港湾局の担当者は「国などと協議して港湾施設の利用形態を見直したことで機能強化を実現できた」としている。
LNG燃料船の世界的な普及を見据えた国土交通省港湾局は6月から事務局を担い、横浜港をモデルケースにしたLNG燃料補給の拠点整備に向けた検討を進めている。