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住宅業界「異端メーカーの挑戦」 不便さも楽しむ暮らしへ

経済 | 神奈川新聞 | 2020年3月15日(日) 10:18

アールシーコアが販売する一戸建て住宅=藤沢市大庭
アールシーコアが販売する一戸建て住宅=藤沢市大庭

 駅徒歩10分圏内、商業施設至近─。交通利便性を競い合う住宅業界にあって、「異端」が旗印のハウスメーカーが挑戦を続けている。アールシーコア(東京都)が提唱するのは「不便さをも楽しむ」暮らし方だ。藤沢の展示場で独自の世界観を垣間見た。

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 同社は「BESS(ベス)」のブランド名で5種類の一戸建て住宅を販売する。丸太を組んだ主力の「ログハウス」から遊び心あふれた「ドーム型」まで、規格ごとに1~3千万円台の価格表を設けて明朗な料金体系をうたう。

 「商業化しすぎない」という信念の下、合理主義や最新技術とは一線を画した生活を推奨する。

 区画を売り出す場合は、最寄り駅までバスで30分といった地域が目立つ。利便性を追い求める現代の風潮にもの申す、そんな意気込みが表れている。

 ここでの「不便さ」は、自然に囲まれたおおらかな生活を意味する。無垢(むく)材をふんだんに使った木の家に住宅設備は最小限しかない。まきを割り、五右衛門風呂にくべて暖まる「かつての暮らしぶり」を堪能する人も少なくない。

 外壁の塗装など定期的な修繕が欠かせないが、「ユーザーにはアウトドア派が多く、それすらも楽しんでいただけている」と同社社長室の木村伸さん。

 東日本大震災を機に人々の価値観が変わり、自然派の暮らしが見直されたと受け止める。「そうした生き方をより選びやすくしたい」と力を込める。

 そんな考えに共鳴した顧客が、裾野の拡大を後押ししている。


「コーチャー」としてピザ焼きを披露する米山さん夫妻(中央)=藤沢市大庭
「コーチャー」としてピザ焼きを披露する米山さん夫妻(中央)=藤沢市大庭

 ボランティアで販促活動を手伝う「コーチャー」が代表例だ。その数は全国約40の営業拠点で700組を突破した。「生の声」を伝えることで、判断に迷う来場者の不安を取り除いている。

 昨年11月に初めてコーチャーを務めた米山潤さん(31)と華子さん(29)夫妻=厚木市=は、藤沢市大庭の展示場「ログウェイ ベス藤沢」で活動する。

 自宅は最寄り駅までバスで40分という約100坪の土地に建つ。駅徒歩4分だった以前の賃貸マンションと比べ、日々の生活は買い物一つとっても手間が掛かる。だからこそ「当たり前のありがたさ」に気付かされたと話す。

 地方の空き家問題が深刻化する中、ベス事業は独自路線を突き進み、着実に成長を遂げている。

 木村さんは言う。

 「自然志向の生き方は誰にでも可能だが、そうしづらい空気が社会にはある。市場に見合った価格を追求し続け、物心両面でハードルを下げていきたい」

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