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横浜港をLNG供給拠点に 官民挙げた挑戦が始動

経済 | 神奈川新聞 | 2017年4月2日(日) 10:45

タンクローリーで燃料の供給を受けるLNGタグボート「魁」=2016年11月,横浜市中区新港ふ頭
タンクローリーで燃料の供給を受けるLNGタグボート「魁」=2016年11月,横浜市中区新港ふ頭

 国際的な排出ガス規制の強化が進む中、船舶の新たな燃料として液化天然ガス(LNG)を供給する「LNGバンカリング」を横浜港で実現するため、4月から官民挙げた挑戦が始動する。横浜市はLNG需要の拡大を見据え、環境配慮型の外航船舶(エコシップ)への優遇策を開始。環境への取り組みを内外にアピールし、国際競争力を強化したい考えだ。

官民挙げ競争力強化


 国際海事機関(IMO)は2020年から、日本を含む一般海域で船舶から排出される硫黄酸化物(SOx)に対する規制を強化する。重油に比べて排出ガスの環境負荷が少ないLNGを燃料とする船舶の普及が見込まれている。

 市が4月に始める優遇策はこうした動きに先んじたもので、国際的な認証機関による環境基準を満たす船舶の入港料を減免する。環境に配慮した船舶の寄港を促すためだ。

 横浜港には、北米などとアジアを結ぶ主要航路に就航する大型コンテナ船をはじめ、自動車運搬船、大型クルーズ客船などが寄港している。市の担当者は「これらの大型船がLNG燃料船に更新される可能性が高い」と説明。横浜港周辺にはLNG基地が多く立地する利点を生かし、新たな需要に対応する制度やインフラ整備を進める考えだ。

 世界中を航行する大型船にとっても、横浜港にLNGバンカリング拠点が整備されるメリットは大きい。横浜港は北米などへ向かう船舶にとってアジア最後の港であり、北米からは最初の受け入れ港に当たる。

 国は、欧州方面へのアジア最後の港であるシンガポール港と連携を強化することで、横浜港を日本だけでなくアジアでのLNGバンカリング拠点に成長させ、基幹航路の維持拡大を進める方針を打ち出している。

 一方で、LNG燃料船を横浜港で受け入れるためには残された課題は多く、国や市、港湾運営会社、船会社、エネルギー事業者を含めた幅広い関係者による連携が不可欠となる。さらには国際的なネットワークの構築も欠かせない。

 横浜港と川崎港のコンテナターミナルを運営する横浜川崎国際港湾(横浜市西区)の諸岡正道社長は「LNG燃料を補給するには横浜港の地理的要件は最適で、戦略上重要でもある。時代を先取りする形で、国、横浜市と力を合わせてインフラを整えたい」と話している。

 ■3日、MMでシンポ

 国や市などは3日、横浜・みなとみらい21(MM21)地区のホテルで、初めてとなるLNGバンカリングに関する国際シンポジウムを開催する。

 横浜川崎国際港湾の諸岡正道社長をはじめ、東京ガスの広瀬道明社長、日本郵船の内藤忠顕社長、シンガポール海事港湾庁のアンドリュー・タン長官ら海外の関係者が顔をそろえ、LNGバンカリング拠点の形成に向けた課題と取り組みを議論する。

 
 

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