モーツァルトをこよなく愛する平均年齢70歳の「湘南アマデウス合唱団」が、藤沢市内で元気に活動中だ。発足から22年がたち、当初60人だった団員は100人を超すまでに増えた。姉妹関係にある合奏団との合同定期演奏会を10日に控え、卒寿目前の団長は「表現力豊かな合唱を披露したい」と意気込む。
同合唱団は、モーツァルト没後200年の1991年に結成された湘南モーツァルト愛好会がルーツ。「聴くだけではなく自分たちでも」-。メンバーの間でそんな機運が次第に高まり、93年に合唱団としての活動をスタートさせた。
団名はモーツァルトのミドルネームに由来。取り組む曲ももちろんモーツァルトの声楽曲が中心で、団長の赤羽根恵吉さん(89)は「全員がアマチュアだったが、モーツァルトを歌うという情熱を持ち続けて練習を重ねてきた」と語る。一貫してプロ指揮者の堀部隆二さんに指導を仰ぎ、96年には初の公演にこぎ着けた。
姉妹団体「湘南アマデウス合奏団」も、合唱団にとって不可欠の存在になっている。合唱団結成から1年後、やはりモーツァルト好きの演奏家で結成された団体で、定期演奏会では常に共演し歌声と楽器のハーモニーに磨きを掛けてきた。
2005年には、両団員にとって聖地ともいえるオーストリアとドイツに演奏旅行へ赴いた。孤児院教会や音楽堂を舞台に歌声を響かせ、スタンディングオベーションを受けるなど好評を博したという。
10日の第17回合同定期演奏会では、教会ミサ曲の大作「レクイエム」を披露する予定だ。チケットはすでに完売で、昨年の定期演奏会終了後から1年かけて練習に励んできた成果を披露する。
「仲間うちで飲んでも音楽談義ばかり。私にとって合唱団は生きがい」と赤羽根さん。今後については「オーケストラの音量に負けてしまうので、100人態勢は維持したい。50、60代の“若手”が増えてくれれば」と笑顔で語っていた。
問い合わせは、赤羽根団長電話0466(27)9779。