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自分らしい芸で笑わせたい 柳家権之助が昇進披露公演

芸能 | 神奈川新聞 | 2020年5月7日(木) 11:53

子どもの時からTHE ALFEEのファン。権之助の「之助」は、特に大ファンだという坂崎幸之助からもらった。「真打ち昇進披露パーティーでは歌を歌ってくれてギターまでプレゼントしてくれた。神様のような素晴らしい方です」(写真とイラストは本人提供)
子どもの時からTHE ALFEEのファン。権之助の「之助」は、特に大ファンだという坂崎幸之助からもらった。「真打ち昇進披露パーティーでは歌を歌ってくれてギターまでプレゼントしてくれた。神様のような素晴らしい方です」(写真とイラストは本人提供)

 2019年秋に真打ちに昇進した柳家権之助が6月20日、横浜にぎわい座で昇進披露公演を行う。「爆笑派」として知られる柳家権太楼の5番弟子で、「お客さまを笑わせたい」という気持ちは人一倍だ。

 04年、28歳で入門。それまでは音楽活動をしていたが「一生かけてできる仕事をしよう」と思っていた時に落語に出合った。権太楼師匠に入門しようと決めたのは「とにかく落語が面白かった」から。「いろいろな寄席に通いましたが、師匠はいつ見ても絶対に面白い。紀伊国屋寄席で『火焔太鼓』を聞いたときには笑いすぎて椅子から転げ落ちました」

 見習い時代の思い出を聞くと「師匠のかばん持ちで横浜にぎわい座に行った時、太鼓をきちんとたたくことができず師匠に激怒されました。悔しくて情けなくて、帰宅する道すがら涙が止まりませんでした」とほろ苦いエピソードを披露してくれた。「師匠からは、噺(はなし)そのものを教わることはほとんどなく、落語家としての生き方や考え方を教えてもらいました」

 二つ目になってからは2カ月に1回のネタ下ろし(新作披露)と、月1回の定期的な落語会を自身に課してきた。「稽古を重ねることで自分なりに感じられる手応えもある。同時期に真打ちに昇進した柳家わさび師匠の活躍を見て、負けるもんかという気持ちも強いのですが、師匠は『長い商売なんだから頑張れ』と背中を押してくれます」


人柄がにじみ出るかわいらしいイラストは「美術館とマンガが教科書」。「水木しげるさんやさくらももこさん、ほしよりこさんが先生です」
人柄がにじみ出るかわいらしいイラストは「美術館とマンガが教科書」。「水木しげるさんやさくらももこさん、ほしよりこさんが先生です」

 新型コロナウイルスの影響で落語が披露できない状況が続くが、ブログなどで積極的に情報を発信。動物写真家の岩合光昭の影響で本格的に撮り始めたというネコの写真や、「字が致命的に下手だから」という理由で描き始めたイラストはプロ並みの腕前だ。「イラストや写真の印象があるからか、落語も『ほんわかしていて和みました』と感想を言われることがあります。師匠のような落語家を目指してきましたが、自分らしさを出していってもいいのかな、と思い始めているところです」

 真打ちになった今、高座で大切にしているのは「楽しく自由に演じること」。古典落語の物語や世界を壊さない範囲で、登場人物のキャラクターをアレンジしているという。「特に真打ちになってからは『自由さ』を意識しています。自分が楽しく演じることで、お客さまにもさらに落語を楽しんでもらいたいですね」



 午後2時開演。全席指定3200円。チケットは横浜にぎわい座。電話045(231)2515。

 
 

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