株式会社リクルートホールディングスが毎年発表し、今回で10回目になるトレンド予測。2018年12月に発表された「2019年のトレンド予測」では、住まい、新卒採用、中途採用、人材派遣、アルバイト・パート、美容、自動車、飲食の8分野において、それぞれ時代の流れを読む新しいコンセプトとしてキーワードが発表された。
このトレンド予測は、リクルートグループの各事業が日々の営業活動を通して得た企業とユーザーの声をもとに、各分野の兆しを捉え、紡ぎ出されている。
それぞれの分野の業界活性化につながる事例や、4月からの新生活をスタートするために知っておくと便利な情報を4週に分けて紹介する。
【中途採用】分野のトレンド予測キーワードは『職場スカウト採用』。このトレンドが予測された背景から、今後の見通しまでを解説する。
取り繕うマッチングから、さらけ出すフィッティングへ。
入社後のリアルを転職者と現場社員がお互いにさらけだす。
転職市場で採用手法の新たな進化が始まりつつある。優秀な中途採用の人材に即戦力として定着してもらいたいとき、これまでのような会社概要に終始するような説明だけでは、入社後の早期活躍や定着が難しくなってきているからだ。そこで、人事部だけが孤軍奮闘するのではなく、配属先の職場長や同僚が採用活動を主導し、ありのままの職場で仕事の進め方や習慣、そして働く環境を共有し、将来のチームメイトとして入社後のリアルをすり合わせる『職場スカウト採用』という手法が活発になりつつある。
背景には2010年以降高騰を続ける求人倍率がある。特に2014年以降は1.5%以上の高水準が続き、人材獲得競争が激化の一途をたどっているのだ。それだけでない。せっかく中途採用した人材の離職率も、過去3年と比較して21.3%も増加している。
リクルートの調べによると、転職者が入社後もっとも戸惑うのが「職場の習わし」だという。つまり前職との仕事の進め方ややり方の違いに戸惑い、そうしたことが離職する要因の1つになっていることが考えられる。『職場スカウト採用』は、こうしたギャップを解消するためにも有効な採用手法だ。
実際、グルメサービスを開発・運営する「Retty」では、希望者全員に「一日体験入社」の機会を提供し、入社前から現場社員がビジネスチャットで業務の疑問を解消すべく努めているという。『職場スカウト採用』は、とり繕うマッチングから、さらけ出すフィッティングへとシフトした新しい採用の世界観だ。
【2019年のトレンド予測キーワード】
「デュアラー」(住まい分野)
「就域」(新卒採用分野)
「職場スカウト採用」(中途採用分野)
「留Biz大学生」(人材派遣分野)
「学び場イト」(アルバイト・パート分野)
「サロ友」(美容分野)
「もしもCAR電」(自動車分野)
「ポータグルメ」(飲食分野)
▶詳細は株式会社リクルートホールディングスの「2019年のトレンド予測」